俗に「オヤジ殺しのさしすせそ」なるものがあるそうで。
さ・・・「さすがですね~!」
し・・・「知りませんでした~!」
す・・・「すっごいですね~!」
せ・・・「センス良いですね~!」
そ・・・「そうですね!そうですね!」
このファイブワーズをテキトーに会話に織り交ぜておけば、
まぁ大概のオヤジは手なずけられるそうだ。
この情報の出所が嫁という一点が、
どこか釈然としないものがないでも無いが、
大筋で何となく説得力のある話なので、
なんとも反撃の狼煙が上げられぬところである。
さてさて。
話は先週の木曜日に遡る。
実業団バスケの友人、ふたさんにひっさしぶりに会った。
まぁアレコレ話は弾む訳なのだが、彼は未だにプレーを続けていた。
驚きと羨ましさと。
僕はというと、左膝の半月板と十字靱帯の手術以降、
思うようなプレーが出来ず、気がついたらすっかりバスケットから遠ざかっていた。
最後にボールを触ったのはいつだろう?
最後にシュートを決めたのはいつだろう?
思い出すことさえ出来ない。
正直、10歳から40代までずっとバスケをやってきたので、
もうコートで思い残すことは無いな、と思っていた。
だが同じ年齢の彼が、まだプレーをしていると聞いて、
いや何なら僕よりも一回り上の先輩がまだプレーを続けていると聞いて、
何か胸の奥に火のついたマッチ棒を放り込まれた気がした。
仕事は仕事で日々戦いな訳なのだが、そういえばそうだった。
僕は本来もうちょっと格好良いところで戦っているのが好きだったはずだ。
思い出すのに随分時間がかかった。
そんなわけで、再会以来ランニングを始めた。毎日。
十数年前は日に10km(いや、平均7~8km)を科したりしていたが、いかんせん既に52歳(いや、53歳だったw)。
急激な負荷は怪我に直結する。
そこら辺はちゃんと経験を積んだので、まずは2kmのジョギングから。
バスケはすぐにできるもんじゃない。
だけどいつかもう一度プレーする夢を見るのは自由勝手だし、
その実現のための準備を今始めるのも自由勝手なのだ。
思い出した。
嫌いな言葉は、「昔は凄かったかも知れない今はただのトーフ」だった。
千里の道も一歩から。
先ずは身体の錆を落として、感覚を呼び戻そう。
うん、やると決めたら絶対にやる!!
そして近い将来必ず、オヤジ殺しのさしすせそを、
とりわけ「さ」「す」「せ」あたりを心の底からギャラリーに言わせてみようじゃないか。
・・・あ。ギャラリーがいたらのお話しですが、ね。