王子の山歩き(お正月鍋割山編)・・・その2

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王子の山歩き(お正月鍋割山編)その2である。

「パパ、足痛い。」
確かに登りはキツい。大人だってキツいんだから、子どもならなおさらだ。
だがそう王子が泣き言を言うのには、実は背景がある。
前夜、仕度をしているときに僕が
「颯一郎、良く聞け。
 男たるもの、オノレの荷物はオノレでどうにかせねばならん。
 これは男としての矜持であり、曲げちゃならない背骨なのだ。」
と、こんこんとハードボイルドを吹き込んだのだ。

素直で何事にも感化されやすい王子は、
「僕だってハードボイルドだ。自分のものは自分で持つ。」
とのたまい、勇ましくリュックに食料・水・食器・着替え一式・雨具・地図・携帯電話などを
バンバン詰め込むに至った。
結果、僕のリュックと大してかわらぬ重さの荷物が一つできあがったっちゅーハナシである。

標高差1000m、この荷物を彼が担ぎ上げられないのは、明らかではあったのだが、
持論を展開させてもらうと人間何事も経験である。
やってみなけりゃ、自分の限界は分からない事と、やってみて自分の限界を知ること。
男として重要な二つの要素の片鱗に、一度に接する大チャンスだ。
これは、一つコイツに出来るところまで一人でやらせようと思った。

「足痛い。」
そう言う彼の表情からは、泣き言をいう女々しさではなく、
達成出来ずに滲む悔しさが見て取れた。
ふふふ、上出来なのだよ。
君の目標は達成出来なかったかもしれないが、
僕の目標は達成出来たのだから。ひひひ。

そう言う内心は一切、顔にも口に出さず、
「そうか。ならば仕方あるまい。
 どれ、お前の荷物をこっちへよこしなさい。」
とサラリと言って僕は彼の荷物を持った。
「お前のリュックはパパが持つ。
 頑張って一緒に頂上まで行こう。
 頂上で美味しい昼飯作ってやるからな。」

そう言って颯爽と歩き出す父の姿が、
彼の目にはきっとさながらスーパーマンに映ったであろうことは、
もはや何の疑いもないのである。
やったぜパパ、明日はホームランだ!みたいな感じである。
ふふふ。男として重要な三つ目の要素は「父の偉大さを知れ!」なのである。
なんか、書き方的に三つ目が一番重要みたいだ。
ま、いっか。

 註:この後、二人分の荷を持つことを、死ぬほど後悔することになろうとは、
   この時点では知るよしもなかった(-公- ;)

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Commented by masshy85 at 2014-01-05 10:16
やっぱり後悔しちゃったんですね。
お〜、かっこいい!と思ったけれど、ちょっと不安を感じたのが、その通りでしたか!
でも、休みの度に男の子のお父さんしてますね!
今年も頑張って仕事とお父さん業に励んで下さいね。
Commented by hinemosunorari at 2014-01-05 12:31
■masshyさん
「やっぱり」とは何ですか!!やっぱりとは!!(‡▼益▼)
「その通り」とは何ですか!!がぉぉぉ!!щ(゚Д゚щ)
・・・図星です(6 ̄  ̄)ポリポリ
by hinemosunorari | 2014-01-05 04:34 | 王子通信 | Comments(2)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
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