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家作りについての異なる私見。

クルルからの今日のお題というものがある。
ちなみに今日は、
「鬼は外。福は内。
 今日は節分です。あなたの家に訪れて欲しい「福」とはなんですか?」
というもの。

話にならない。
あらゆる福に来てほしいに決まってることは、アホでも分かる。
そんなわけで、今日までずっと無視しつづけていたクルルからのお題は、
やはり今後も無視しつづけることを決意した。
*************************************
さて、会社では何故か社長の意向により、絶えずJ-WAVEというFMが流れている。
そのCMで、ある住宅メーカーがこううたった。
「家は3度建てなきゃ、気に入った家にはならないといいます。
 一度で本当に気に入った家を。
 設計から施工まで○○○ハウス。」

「ばーろー!」(←バカヤロウの意。)
と僕は心の中で叫ぶ。
当然だ。クルル同様、話にならない。
「家は3度建てなきゃ・・・」なんて、いつ、何処のどいつが言ったってんだ?
いいかげんなことを言いやがって!

僕が激昂するのは、訳がある。
僕が憧れる職業は何か?
知る人は少ない。
文筆家でも教師(←かつて教師が望んだ)でもバスケットボールプレーヤーでも
競輪選手(←かつて両親が望んだ)でも内閣総理大臣でもない。

「大工」である。

大工は創造する。
加工などというレベルの問題ではない。
文字通り生み出すのだ。

修行は厳しい。
けれども、多くの道具を使いこなし、人扶をさばき、材料を選定し、
地形・方角・温度・湿度・風向きなどを全て考慮に入れて、
最良のものを作り出す。
「大工」いや、「大工という生き様」は、いまだ僕にとって羨望の的だ。

そもそも、日本に元々ある家屋のつくりは、確かに作業効率はよろしくない。
いまどきの組み立て住宅のように、半月で落成などということは無い。
が、旧来の日本家屋は、一度び建てれば軽く100年以上はビシッとしていた。

何故か?
大工の仕事は、生半ではない。
目利き腕利きの名工の眼は、百年先二百年先を見据えているという。
50~70年、少なくともその家の建設に携わった人間(施主のご家族なども含めて)の
目の黒いうちは、傷一つ無くたっているのがあたりまえなのだ。

少なくとも、今の組み立て住宅は20年もてば御の字であろう。
材料は薬品とエアコンで強制的にシーズニングさせたものだから、
材質本来の活力は無い上に、薬品中毒症状などの引金にもなる。
加えて、造りが高密閉・高断熱ときてるから、日本の風土では悪くすると5年で傷む。

横道に逸れた話を元に戻すと、
「家は3度建てなきゃ云々・・・。」
なんて言葉は、本来日本には絶対に存在しない。
即席住宅を売ってきた住宅メーカーが、勝手に言ってるだけのことなのだ。

自分の作品とも言える「家」に対して、
大工がどれほど愛情を抱き、どれほど責任感をもっているかは、
身近な大工さんに聞けばすぐに分かる。

夏の台風どき、彼らは心配で眠れないという。
自分の仕事には絶対の自信があるが、もし屋根の造作がよくなくて、
瓦が飛びはしないだろうか?
窓の収まりが悪くて、雨水が染みてはこないだろうか?
戸板の建付けは大丈夫だろうか?

そして、結局彼らは暴風雨の中出掛けてしまう。
自分が手掛けた家を一軒一軒ずぶ濡れになりながらすべて巡回した後に、
ようやく安心して床につけるという。

少なくとも、現在日本の主流になっている組み立て住宅に
それほどの想い入れが存在するとは思えない。
家も人間も呼吸をし、虫の声やそよぐ風に季節を感じ、陽の高さや月の満ち欠けが
伝わる家こそが、この国の風土に適した、人の住む家なのだと思う。

・・・といいながらも、我が身を鑑みると、
実は鉄筋コンクリートの住宅に住んでたりするのだが。
ただ、「大工」への想いは未だに変らないので、
偶然耳にしたたかがCMごときに、えらく腹が立ってしまい、
結果憤怒に任せて記事を書いてしまった。
とても、申し訳ない。
今日のところはご勘弁を。

「大工」にかんしては、またいつか書くときもあろう。
この生き方に興味のある方は、
幸田露伴の名著「五重塔」などを読んでみる事をお勧めする。
ぼくは中学生時分に読んで感化されたかな?






」」」」」当時のコメント」」」」」

アルピニア 「大工」、、特に「宮大工」(だったかなぁ。。)と言われる職業は、本当に素晴らしいと思います。
「五重塔」って知識が無くて読んでも面白い??
2006/02/03 21:58

aburaking ←こいつが福らしい(´┐`)
どんな事があっても職人魂を忘れてはいけないもんだなぁ(´┐`)
2006/02/03 22:25

きゅび ■アルピニアさん
 大工を区別するようになったのは随分最近の時代のことなんです。
 昔は技量の立つ「名工」か、「叩き大工」といって
 言われたことしか出来ない大工しかいませんでしたから。
 彼らにとっては家も宮も蔵も一緒なんですね。
 ところで「五重塔」ですが、お話は面白いですよ^^
 ただし、昔の文体なので数ページにひとつくらいしか
 句読点がありません。
 読み出せば気にならなくなるのは、落語の手本などと一緒ですね。
 良いものは、良いのです^^
2006/02/03 22:37

きゅび ■aburakingさん
 ふっくらしているということでしょうかね^^;
 職人魂、確かに大切です。自分の仕事のことを考えると、
 これはもう理屈抜きでそう思います^^
2006/02/03 22:41

アルピニア 数ページにひとつの句読点・・???
( ̄  ̄;) うーん  それは読むのに勇気が入りそうですな。。
2006/02/03 23:41

はむねこ 木と対話したりしながら、先を読みながら作っていったのでしょうね^^
・・・
ちょうど先ほど、大工さんの映画?をTVで見てました|ω・`)b
2006/02/03 23:56

シャチ 私達のような電工は手袋を必ずします。それは感電防止の為。でも大工は手袋をしては駄目だそうです。それは手先の感覚で仕事をするから。まぁ私も木は加工しませんが職業柄、金属やコンクリートは
加工します。(笑)
2006/02/04 06:49

hagumi ネッ友でクルルでもお友達になってる「yuki」ちゃんは女性でありながら
大工さんですよ~
実家が大工さんみたいで^^
職人さんってめっちゃかっこいいですよね~
私も大工さんとか、憧れの目で見ちゃいます。。。
2006/02/04 09:22

☆ふーが 先日そろそろ襖の張替えに・・と業者さんに来ていただいたら、とても大工さんのこだわりが感じられるお宅ですね・・・・とおっしゃっていただきました。あらためて、感謝しないといけませんね。。。
2006/02/04 11:29

やっちぃ☆★ 大工サンってめっちゃヵっこぃぃと思いマス♥
ゥチの家も,40年建ってマスがマダ②ぃヶますょ(●´∀`●)ニパーw
2006/02/04 15:29

きゅび ■再びアルピニアさん
 詳細はまたの機会にでもお伝えいたしましょう^^
■はむねこさん
 うんうん。そうおもいます^^
 ところで、大工さんの映画って???
■シャチさん
 どちらも理解出来ます^^
 それにしても、コンクリの加工までするとは思いませんでした・・・。
 電源工事も業務の一環としてやるので、興味津々です^^
■hagumiさん
 ほほう。そうだったんですか^^
 ブログ、のぞきにいってみようかな^^;
■ふーがさん
 聞いた話で恐縮なのですが、ある豪農の家屋は100年や
 200年は持つと言われるほど素晴らしい普請で、良い家だったそうです。
 ところが、そこに嫁いできた嫁さんが、
 「こんな家じゃプライバシーが保てないからイヤ!」と言い張って
 結局はその家屋を取り壊して、2世帯型組み立て住宅にしちゃったんですって。
 時代の流れだから仕方がないのですけれど、さみしいおはなしですよね・・・。
 それを考えると、ふーがさんのお住まいは住む人からも
 訪れた人からも認められて、幸せな家だと思います^^
2006/02/05 00:20

きゅび ■やっちぃさん
 きっと、やっちぃさんのお住まいをたてた大工さんも、心を込めて
 良い仕事をしたのだと思いますよ^^
 それはさておき、合格おめでとう^^v
 高校生活は、ぼーっとしてると一瞬ですから、勉強も遊びも趣味も
 全部一生懸命取り組んでくださいね^^!
2006/02/05 00:23

アストラッド いまどき、腕のしっかりした大工さんを探す方が難しそう。
寂しいことですね。
私の水墨画仲間の旦那様は、北海道ではめずらしい、茶室を作れる大工さんで、一軒請け負えばかなりの稼ぎになるそうです。
でも、茶室を作るほどの余裕のある家は年々少なくなっているので大変だと奥様はぼやいていらっしゃいました。
2006/02/05 01:03

高摂 ナンセンスなものに対して、ナンセンスだと言える感性と度胸を、私も大切にしたいと思います……
2006/02/05 23:16

はむねこ や、本格的な大工さんの映画ではないのです^^;
三谷幸喜の『みんなのいえ』だったかな・・・。
家を建てる工程の人間模様を描く映画で、昔かたぎの大工さん役を田中邦衛サンが演じておられました(・公・)♪
2006/02/06 20:11

aburaking ←いあ、節分生まれ(´┐` )
どっちかてーと鬼らしい(´┐` )
2006/02/07 16:58

きゅび ■アストラッドさん
 茶室ですか・・・すごいですね^^
 ところで、アストラッドさんが水墨画をやってるのは、初めて知りました。
 今度是非披露して下さい^^
■高摂さん
 そうですね^^
 思ったとおりのことを口にするのは、度胸が必要ですものね^^
■はむねこさん
 そういう映画があるんですね^^;;
 でも、三谷幸喜産の作品なら、なんだか面白そうです^^
■aburakingさん
 あらま、そうだったのですか^^
 誕生日はお腹いっぱいかもしれませんが、お誕生日おめでとうございます^^v
2006/02/09 00:20

もも。 えっとww、きゅびさんのとこにおじゃましていながら、かなり個人的なお話なのですが♥、σ(◕ ェ ◕。)、大工さんというのは「かなり大雑把なお仕事をする職種」と思っていました。 スパーンと木を切って、カツーンと釘を打って・・・。
ところが、大工さんをしている人とお付き合いしたときに、それこそ㍉単位の製図や基礎工事の厳密さを知り、なんと繊細でクリエイティブなお仕事なのだ!!と知ったのでした。
以上。   |д゚) ・・・・。   すすすすすみませんwwww
2006/02/10 01:54

きゅび ■もも。さん
 あは^^。個人的なお話、楽しく拝見しました^^。
 知れば知るほど奥深いってのは、恋も大工も一緒ですね。
 とかいってみますw
2006/02/11 10:54

もも。 (´゚∀゚`) うわぁぁぁぁぁぁぁぁ♨
さっすっっっっが、きゅびさんですね!!!!
恋の熟練者・・・否、達成者はおっしゃることがチガイますね|∀゚*)b

とかいってみました♥♥(ホンキですよww
2006/02/13 00:57

きゅび ■もも。さん
 恋の熟練者ですと?達成者ですと?!
 とーんでもない^^;;
 痛い目にしかあったことありませんよ。昔も今もね^^
2006/02/13 21:31

もも。 でもでも、ご結婚されていることだけでも、
恋したい乙女としては('ω'*ノノ"☆パチパチパチパチなんです♥♥
2006/02/15 20:52

きゅび ■三度もも。さん
 大丈夫ですとも。素敵な人はもも。さんの前に必ずや出現します!
 そして忘れちゃいけない「結婚はただのスタートに過ぎない」という 事実・・・。健闘を心からお祈り申し上げます。
 え?おまえもな?
2006/02/16 14:43

もも。 (゚ω゚)ノ4度、ももです♥
  なるほど。 「結婚は人生の墓場」でなくってよかったです(*ノωノ)  たとえ・・・そうであったとしても、お花畑で宴会、のようなお墓にします。
2006/02/16 15:56

きゅび ■四度もも。さん
 うはは^^!素敵なお言葉でございます^^
 それにしても、、、お花畑で宴会のようなお墓って???^^;
 まぁ、明るい家庭ってことですよね^^;

2006/02/17 00:24

もも。
ってことにしてください♡♡   BY もも5th.
2006/02/17 01:21

きゅび ■五度もも。さん
 了解しました^^
2006/02/17 21:36
名前
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削除用パスワード
by hinemosunorari | 2006-02-03 20:54 | 日々のよしなしごと | Comments(0)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
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