DINING BAR CUBIC PART 3・・・屋根の上の女神(4)

そこまで言うなら、いいわ。
幼馴染だし。店長・・・アンタのことも嫌いじゃないから、話してあげるわ。
ちょっと!アイスをクラックする手が止まってるわよ!
・・・まったく、失礼しちゃうわね。

ふぅー。美味しかった。
同じの、もう一杯よ。そう、アドニスよ。
今夜は全部アンタのおごりだからね。忘れないでよ。

・・・ねぇ、店長。
ドライシェリーとスイートベルモットをブレンドして作る、この「アドニス」。
由来はご存知かしら?
・・・そう。・・・そうよ。
さすがに良く知ってるじゃないの。

古くはギリシャ神話の女神ヴィーナスが溺愛した美少年の名前。
でもね、このアドニスは本当は1984年にN.Yで大ヒットした、
同名のミュージカルにちなんで作られたの。
神話の中の美少年アドニスは生身の人間で、短い生涯だったのよ。
何故かって言うとね、ヴィーナスとの仲を嫉妬した芸術の神に、謀殺されてしまうの。

「アネモネ」って花を知ってる?
一度風が吹くと咲いて、もう一度風が吹くと散ってしまうといわれているほど
とても可憐だけど、とても儚い花。
この花はね、死んでしまったアドニスが冥府で寂しい思いをしないようにって、
ヴィーナスが咲かせた花だといわれているわ。

食前酒の傑作といわれるこの「アドニス」の淡い色はね、
愛する者を失ったヴィーナスの、失意と悲しみの結晶である「アネモネ」の花を
モチーフにしたものなのよ。

どう?
勉強になるでしょう、店長。
・・・店長?!・・・ちょっと!店長!!
手が空いてるなら、あんたアゴを支えなさいよ。
アホみたいに口がぽかーんと開いてるわよッ!
・・・まったく、もうっ。

あたしね、何も酔っ払って自分の知識をひけらかすのに、
この話をしてるんじゃないのよ。
神話のヴィーナスがアドニスを心の底から愛したように、
あたしにもあたしのアドニスがいたのよ。

ああっ、もう。
店長、新しいのが出来たんだったら、さっさとその酒こっちによこしなさいよ。
こっちはつらい話を、ベラベラしゃべろうってんだから、
ちょっとは気をつかうべきよっ。まったく・・・。
・・・ぷはー。それにしても美味しいわ。
これ、飲んだら続きを話してあげるから、アンタも一杯つきあいなさいよ。
わかったわね?



                                        つづく






」」」」」当時のコメント」」」」」

アルピニア はい、おつきあいさせていただきます~~~~♪
2005/06/12 16:55

m⇔k 正座させて聞かせていただきます。
2005/06/12 17:27

はむねこさん ヴィーナスさんが男だったなんて・・・il||li _| ̄|○ il||li
(過去を引きずる男)
2005/06/12 19:48

きゅび ■アルピニアさん
 今度機会があったら、是非「アドニス」を頼んでみてください^^
■m⇔kさん
 ( ゚∀゚)・∵. ブハッ!! そこまで求めていません^^;おきらくにどうぞ^^
■はむねこさん
 あはは。相当ショックを受けてますね^^; 
2005/06/14 02:28
[PR]
by hinemosunorari | 2005-06-12 13:26 | 日々のよしなしごと | Comments(0)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31