朝の報道を見て思ったことに関する私見。

朝、コーヒーをすすりながら何気なく見たテレビでのことです。
北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの安否に関する報道と関連して
北朝鮮に対して経済制裁を発動させるべきか否か、という街頭アンケートをとっていました。
街頭で無作為に選ばれたアンケート対象者の実に9割にも上る人が、
「経済制裁を加えるべき」と回答していたことには、少々驚きました。
そしてそれ以上に、その9割の人の意見しか報道しない某局の報道姿勢に、疑問を感じました。

たかだかきゅびごときの、浅薄な知識をひけらかして
声高に物申しているようで、とても恥ずかしくもあり、申し訳なくもあります。
これは、誰かに向けたメッセージではございません。
あくまできゅび個人の関心ごとをつづるページだと信じて、
複雑な問題をきゅびなりにシンプルに考えた上で
この先に話を進めたいと思います。

冒頭に書いたアンケートの回答者の多く、そして番組コメンテーターは
「ここまで裏切られ続けたら、もう経済制裁しかない。」
「自国の安全を脅かしている国だし、断固とした措置は当然。」
とコメントしていました。
間違えていない、正しい意見だと思います。
いや、正しい意見のひとつだと思います。

きゅびが一番引っかかったのは、
「北朝鮮に対して、経済制裁は必要か否か?」
なるテレビ局が用意した質問文です。
ただでさえややこしい問題なのに、そう簡単に二極化など出来っこありません。

言わずもがな日本は遡る事約70年前に、経済封鎖されました。
当時の人口は約8千万人で、そのうち半数が農業従事者で、
半数が工場生産者だったといわれています。
それほど大きな労働力を有しながら、石油・石炭・鉱石の輸入依存度は極めて高かったので、
アジア海域でそれらの供給が断ち切られると1000万から1200万人もの失業者が出ると、
その当時試算されました。

これは十分国の存在を揺るがしうる数字です。
つまり、安全保障上の問題に差し迫られて、
日本は戦争への道を進む以外、道が残っていなかったわけです。

その結果がどういうことになったかを十分知っている我々が、「経済制裁」という言葉を
あまりに安易に使うことにはとても違和感を覚えますし
そういう安易な回答をさせるような質問を用意したマスコミの責任感のなさには、
はっきり言って吐き気すら覚えます。

ニュース番組には最近では必ずコメンテーターという役割を担っている人が出てきているようです。
豊富で専門的な知識に裏打ちされたコメントや、
民意の代表というようなコメントを述べたりしていますが
どう考えても、局からギャラを貰っている以上は
彼らが局の放送方針に真っ向から対立する意見を述べるなどということは
まず、ありえないわけです。

北朝鮮がやってきたことを肯定する気は毛頭ございませんし
金正日政権は倒されてしかるべきものだと思います。
ここまで主権を脅かされていながら、断固とした措置を取らないのは
自主決定できない平和ボケした論理だといわれる方もいることでしょう。

けれども6カ国協議の場で、あるいは2国間協議の場で
日本が国際社会から求められる、日本の立場でしか出来ないこと。
それは、「言ってわからないのだから、制裁を加える」というような
簡単なことでは決してないはずです。

陳腐な言葉に取られてしまうでしょうけれども、
戦争にいたるチャンスは山ほども存在しますが
戦争を回避するチャンスは、とても数少ないのです。

そして、拉致問題を含むアジア社会で日本が抱えている諸問題は
制裁ではなく、砂を呑み込むほどの辛抱強い交渉でしか解決できないと
きゅびは強く思うにいたるわけです。

人類は歴史から多くのことを学べます。
先人たちの長い歴史上の足跡に思いを馳せるとき、たった70年前の出来事は
忘れてしまうにはあまりに近時のことのように感じます。
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by hinemosunorari | 2004-12-11 02:13 | 日々のよしなしごと | Comments(0)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
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