きゅびの、ひねもすのらりノウタリン。

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歩き、そして思う。

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「どうか、この木を切らないで下さい。」

何年前だったかも忘れてしまったが、JALだかANAだかの機内誌に、
その写真は載っていた。
淡路島、ある民家の門の脇に立つ白木蓮の美しい花。
そして、幹には幼い字ではあるけれど、丁寧に書かれた札が結いつけられていた。
「どうか、この木を切らないで下さい。」

写真が撮影されたのは、1995年。阪神淡路大震災の直後である。
白木蓮が花を咲かせていたので3月頃だと思う。
家屋が倒壊した瓦礫の中、一帯では門とその樹だけが
かろうじて踏みとどまっていた。

生きるために被災地を離れ、別の環境で生活を再構築していく。
札を結いつけた幼い子には、その運命に抗うすべはなかったに違いない。
家族と共に過ごした多くの幸せな時間を、優しく見守り続けた樹との別れ。
唯一出来ることは、誰が読むかも分からない祈りにも似た伝言を、
その場所に残すことだけだったのだ。

写真に残った白木蓮の花と、幼い文字。
それをしたためる時に小さい胸に去来したであろうことを思った。
僕には涙をこらえるのが、とても困難なことであった。

あの艱難から15年以上経った。
見事に息を吹き返した現在の神戸の街を歩くと、そこかしこで白木蓮が目にとまる。
震災で亡くなられた方の冥福を祈り、復興の際に植樹されたものだと聞いた。
淡路島のあの白木蓮に結いつけられた伝言。
「どうか、この木を切らないで下さい。」
は、大切な思い出の樹だから残しておいて下さい、という懇願だったのだろうか?
僕はそうは思わなかった。むしろ、

「必ず、この場所に帰ってくるから。
 この白木蓮の花の下にまたみんなで戻ってくるから。」

幼さ故に書ききれなかったのは、
本当はそういう強いメッセージだったのではないだろうか?

翻って白木蓮の花を見るとき、悲しみとそれを超えゆく強い決意とを、
僕は感じずにはいられない。
ただ季節がくれば、黙っていても花は咲くのか?
確かに、咲く。世の中がどうなっていようと、時がくれば花は咲く。
そう言うものなのかも知れない。

が、少なくとも今この時だけは、否と言いたい。
人の信念が花を咲かせるのだと、咲いた花が季節を呼ぶのだと、
そう信じたい。

今回被災した地方で、多くの花が咲くときが、早く訪れますように。
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Commented by masshy85 at 2011-04-03 20:10
どの写真も光の当たり方、影の出方がきれいですね。
桜、満開の所もあるのですね。
今日は寒くて、満開になるのは週末かな?
王子の入学式はきっと満開の桜の下での記念写真になるのでは?
Commented by hinemosunorari at 2011-04-03 22:47
■masshyさん
先週、仕事で和歌山にしばし滞在しておりました。
写真は和歌山城で撮ったものです^^
東京よりも少し暖かくて、桜の開花も進んでいましたよ^^
王子の入学式、桜満開になると良いですね^^
Commented by osakaken at 2011-04-05 10:16 x
安藤忠雄氏が震災で神戸の人々が失った大事な人々の為にコブシの木を神戸に植えようと提案・・30万以上の
「コブシ」や「ハクモクレン」が植樹されました。
あの頃・・家族や家やペット花までも失った人々・・
どれだけ辛い時間だったろうかと思います。
そう思えば・・安藤さんの優しさが沁みますね。

今回の被災者の皆さんの心が 花を楽しめるようになるまでに まだ時間がかかるでしょうが その日が早く来る事を祈っています。

王子・・入学ですね・・おめでとうございます。
Commented by hinemosunorari at 2011-04-08 03:35
■大阪ケンさん
時間は途方もなくかかるでしょうけれど、
笑顔が戻って欲しいと本当に思います。
王子の入学、後日記事で書きますね^^
by hinemosunorari | 2011-04-02 23:51 | 日々のよしなしごと | Comments(4)