夜間飛行。

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僕を乗せた福岡空港発JAL344便が、羽田空港を目指して水平飛行に移ったところで、
またもや優良ビジネスマン風にノートPCなどをカチャリと開いて、ブログ更新にいそしむ39歳です。
あー、この手の挨拶はほんの3日前に使ってしまったような気がしないでもないです。
かぶってしまってスミマセン。ほぼ、確信犯ですが。

唐突ですけれど、世間はゴールデンウィークに突入しました。
僕の中では、ゴールデンウィーク一番の祝日といったら、今も昔も「こどもの日」です。
澄み渡った5月の青空を、とても気持ちよさそうに泳いでいる鯉のぼりを見るのが、
小さい頃から大好きだったからです。
今でも、我が家の玄関先には、とても小さいですけれども、鯉のぼりが飾ってあって、
帰宅するたびにその鯉のぼりを見て、とても幸せな気分になります。

さて、話は戻って東京行き最終便の夜間飛行。
この夜間飛行というものも僕は大好きです。
機内から見える、下界の無数の灯り。
その数だけ人々の暮らしがそこにはあって、そこに生きている人の夢とか希望とか、
あるいは悩みとか、哀しみとか、各種いざこざとか、劇的ドラマとかが、
ざーっと僕の脳内空想空間に広がるからです。

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実は、三日前の福岡に飛んだ日、僕が機内でブログを更新している丁度その頃、
我が家の王子・颯一郎が国立医療センターに入院しました。
風邪をこじらせたようで、極めて軽度の肺炎を併発したようです。

僕は夜間飛行の窓外の闇に、家を出てくる前夜のあいつを思い出しました。
とても苦い抗生物質の顆粒薬が、どうしても口に入れられなくて泣いていたあいつ。
幼いながらも、薬を飲む必要があることは、どうにか理解しているようなのですが、
無垢な味覚に薬の苦みは、想像以上に容赦なかったようです。

「これ、飲まないといつまでたっても風邪が治らないのよ!」
と嫁や僕にせっつかれて、大粒の涙をぽろぽろこぼしながら、
必死で口に流し込もうとしている懸命な姿を見ると、胸が締め付けられるようでした。
何度かに分けて、ようやく薬を全部飲み込んだときには、
思わず「よくやった!」ときつく抱きしめたほどです。

東京・福岡間、567マイル。約920kmの距離。
病室に入ってしまえば電話で声を聞くことも、「頑張れよ」と励ますことも出来ません。
互いの声も手も、届かない距離。

夜、ひとりきりの病室で寂しくないだろうか?
だれも本を読んでやれないし、子守唄も唄ってやれない。
寂しくて悲しいまま眠りに落ちて、辛い夢を見ないだろうか?
朝目覚めたときに、僕も嫁もジルもそばにいない。切なくないだろうか?
僕が闇の黒に描いたものは、ひとり病室で寂しさを抱きしめている、颯一郎の横顔でした。

「もうすぐ帰るから、あとほんの少しの間だけ、待っていてくれ。
 パパもママも、いつもお前と一緒にいるんだよ。
 明日になったら、その寂しさも何もかも全部まとめて抱きしめてやるからね。」
この気持ちが、今頃ひとりで眠りに就いている彼の胸に届くように、
窓の下に見え始めた数々の街の灯りに向かって、強く強く思いました。

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さて、そろそろ飛行機は羽田空港への着陸態勢に入るようです。
そう言えば、福岡空港で搭乗待ちの時間に、颯一郎にお土産を買いました。
我慢して我慢して、とっても苦い薬を飲み続けているあいつのために、
すごく甘くてとろけてしまうような、宮古島産のマンゴーとドラゴンフルーツのジャムを選びました。

世間では連休に入って行楽に出かける人たちも多いと聞きます。
家族でお出かけできないのはちょっと寂しいですけれど、
今年のこどもの日は、あいつと一緒にベッドで甘い甘い、とろけるようなジャムを、
焼きたてのパンに乗せて食べたいと思います。

あいつが早く元気になりますように。
青空をのびのびと泳ぐ、あの鯉のぼりのように。
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Commented by hagumi at 2009-05-01 00:48 x
それは心配ですね(;;)
小さな子どもでも、完全看護だと付き添いはできないものなんですか?
一緒にいてあげられないなんて、辛すぎます(TT)

かわいそうな王子・・・

早く・・・早く元気になりますように。。。
Commented by ☆ふーが at 2009-05-01 00:49 x
なんかウルウルしてしまいました。早くよくなられますように・・。
さぞかしご心配な中での ご出張だったことでしょう。
どうぞお大事にしてあげてくださいね。
Commented by 大阪 ケン at 2009-05-01 07:46 x
幼い子供の入院は 辛いですね。そんな時に 夜間飛行などすると 街灯りを見ただけで涙がこぼれそうだったでしょう・・。私なら 間違いなく・・。
娘二人一緒に 入院させてしまった時・・祈りながら 眠れない夜を過ごして 病院の窓から 朝日を見た時を 今も覚えています。親業は かなりシンドイね!
・・一日も早い回復と 奥さまにお疲れが出ませんように お祈りします。
Commented by カト at 2009-05-01 09:08 x
入院かい!大変だね。
一日も早い全快をお祈り致します。

名前は違えど、そこの病院の小児科に入院経験あり。
夜寂しくって、中庭を見ながら泣いてたよ。
でも、翌朝もらえるジュース(ミルクかな?)を受け取っただけでニコニコだったよ。

そういう気持ちの切り替えしの早さが子供の強みだと思うんで、
心配せんでも しっかりやってますよ。看護婦さんに色目使うとか・・・、
アナタの息子さんだもの、そりゃ当然のように。
Commented by あんこ at 2009-05-01 10:03 x
王子。。。大丈夫かぁ~~~!!(*>ω<*)。,*。゚〇。 
心配だぁ~~~~
うちも、子供がちっちゃい頃は、病院ばかり行ってた。。。
入院も、度々。。。親は、心配するだけで、何もしてあげれないのが辛かった。。
Commented by 柚っこ at 2009-05-02 01:21 x
ちょっと涙が出ちゃいました(´ω`。)
親になって初めて知った、両親の気持ち。
初めて香月が高熱を出した時、自分が代わってやれたらって、心から思いました。
私も小さい頃は体が弱かったので、親には相当心配をかけたんだろうなぁ。
1日も早く、王子が元気になりますように・・★
Commented by ぷりん at 2009-05-02 08:23 x
心配で心配で…本当は傍にいたい気持ちが伝わります。
でも子供は強い!
子供の日にはケロッと治ってまた元気に遊びまわりますよ♪
って…私も超心配症なので自分だったら、おろおろしちゃうんだけどね(^^;。

1日も早い回復祈ってます♪
Commented by きゅび at 2009-05-05 02:54 x
■hagumiさん
 できました!調べてみたら、付き添い入院可能だそうです!
 ・・・が、しかーし!敢えてそうしなかった理由があるのかも知れませんw
 やはり、嫁は偉大なんですね゛(6 ̄  ̄)ポリポリ
■大阪ケンさん
 さすがです。←これ、大阪ケンさんのコメントに対するある種枕詞のようになってますw
 いやぁ、本当に色々な経験をされているのですね。
 ブログの記事を読んでも、器が伝わりますけれども、コメントの端端にも
 度量のようなものを感じます^^頂いたコメントを励みにしながら
 がんばりますよ^^v
■カトさん
 そうなんだ!旧姓・国立第二病院に入院歴があるのだね!
 うちの子はね、さすがというか何というか・・・。
 妙齢の看護士さん達に取り囲まれて、ヒジョーに幸せそうですよ゛(6 ̄  ̄)ポリポリ
 やれやれ。
■あんこさん
 颯一郎は、けっこう頑丈で、実は病気らしい病気は
 ほとんどしたことがなかったんです。
 だから、入院と聞いたら、子供よりも親の方がビックリしちゃいましたよ^^;
■柚っこさん
 そうなんですよねー。
 自分が親になって見なきゃ、親の気持ちなんて本当に分からないものです。
 なんだか、想像力が欠損しているようでお恥ずかしいですけれども、
 「親の心子知らず」なんて、よく言ったものですよねぇ;;;;
■ぷりんさん 
 をー^^ ぷりんさんの予言がほぼ的中しそうな勢いです。
 今日はもう既にエンジンが掛かりはじめていて、
 家に着いたらずっとジルと遊んでおりましたよ;;;
 明日あたり、親のふたりが寝込んでしまいそうな気がしてきましたw
 
by hinemosunorari | 2009-05-01 00:29 | 日々のよしなしごと | Comments(8)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
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