殺伐としたシティーライフに、ある種の倦怠感を覚えた人たちがどこからともなく集う、
そんな都会のオアシスのような小さな店。「DINING BAR CUBIC」。
愛情ある親切と不平等な接客を身上とする奇妙な店長のもとでは、
様々な人間模様が繰り広げられているようです。
いつもでしたら、「じゃ、そんな人間模様の一ページを、一緒にのぞいて見ましょうか?」
なんてお誘いするところなんですが、今夜はちょっと切り口が違います。
いぇねぇ、私もつい先ほど気がついたんですが・・・見えますか?
こっち、こっち。ほら。
いや、お客も来ないのに一生懸命グラスを磨いている店長じゃありませんよ?
CUBICの向かいに6階建てくらいのビルがあるでしょう?
そうそう、その屋上。
ね、どうです?見えたでしょ?
すごく綺麗な女性が一人で夜空を眺めているのが。
絵になりますねぇ、とっても。
あ、誤解しないでくださいよ?
ええ。そうですとも、そうですとも。
大事なのは見てくれじゃありません。
そりゃ、私もそこら辺の事情は十分わかっちゃいるつもりです。
はぁ~。それでも絵になるなぁ。
美しい女性が独り、愁いを含んだ瞳で夜空を見上げて、ふと溜息をこぼす・・・。
一体彼女にどんなご事情がおありなのかは、私の知るところじゃござんせんが、
今すぐにでも彼女の隣で、よろず相談窓口を開設したいくらいですねぇ。
あんなべっぴんさんとお話できるだけで、私なんかはもう夢見心地なわけで・・・
むふふふ。
あれ?
どうしてそんなキツイ目で私のことをにらんでるんですか?
ちょっと、落ち着いてください。
大事なお話はこれからなんですから。
いえ実はね、彼女ここら辺じゃああだ名を「ヴィーナス」って言いましてね、
たまに見えるお客さんなんですよ。CUBICにね。
だから私なんかでも知っているわけでして、はい。
まぁ、もちろんあんなに綺麗な女性ですから、
一ぺん拝んだらそう忘れられないってことも、多分にはある訳なんですけどね。
あっ、見てください。
彼女、携帯を取り出しましたよ。
いつも一人でいるのに、一体誰に電話をかけるんでしょう?
ま、まさかついに彼氏が出来てしまったんでしょうか。
そりゃあ気になりますとも。
そこそこの女性ならば、別に誰と付き合って、誰と結婚して、
その結果ハナクソ程度の幸せをつかもうが、どん底でズブズブにくすぶろうが、
私ゃ何の文句も垂れませんよ。
けどね、美人は違う。違うんです。
もって生まれた宿命って奴ですかね?
美人は誰のものにもなっちゃあならないんです。はい。
いや、別にそんな法律は無いんですけど、これは皆がそう思ってるんです。
いつまでも、みんなの女神でいてほしいんです。
しーっ、静かにしてください。
私が聞きたいのは、あなたの反論なんかじゃない。
そんなもんは、どうでもいいんです。
私が聞きたいのは、そう。ヴィーナスの電話のはなしなんです。
ほら、耳を澄ますとややキーの低い、優しく落ち着いたヴィーナスのはなし声が
かすかに聞こえてきますよね?
ここはちょっと悪趣味ですが、すこし話を立ち聞きしちゃいましょう。
もちろん、あなたもご一緒にです。
さ、同罪の旅をはじめましょう。
つづく
」」」」」当時のコメント」」」」」
マヨ わくわく(。´∀`。)
2005/06/10 23:52
アルピニア (* ̄m ̄)ぷぷっ いったいどういう展開になるんだ???
2005/06/11 09:20
m⇔k わぉ♪(〃∇〃)
2005/06/11 09:54
はむねこさん |ω・`)
2005/06/11 19:00
ryoma2005 FMの人気番組のウエィティングバーのような聞き耳の世界。きゅびワールドの開始ですね。
2005/06/12 02:44
きゅび ( ゚∀゚)・∵. ブハッ!! そんなたいしたもんじゃないです^^;
そんな都会のオアシスのような小さな店。「DINING BAR CUBIC」。
愛情ある親切と不平等な接客を身上とする奇妙な店長のもとでは、
様々な人間模様が繰り広げられているようです。
いつもでしたら、「じゃ、そんな人間模様の一ページを、一緒にのぞいて見ましょうか?」
なんてお誘いするところなんですが、今夜はちょっと切り口が違います。
いぇねぇ、私もつい先ほど気がついたんですが・・・見えますか?
こっち、こっち。ほら。
いや、お客も来ないのに一生懸命グラスを磨いている店長じゃありませんよ?
CUBICの向かいに6階建てくらいのビルがあるでしょう?
そうそう、その屋上。
ね、どうです?見えたでしょ?
すごく綺麗な女性が一人で夜空を眺めているのが。
絵になりますねぇ、とっても。
あ、誤解しないでくださいよ?
ええ。そうですとも、そうですとも。
大事なのは見てくれじゃありません。
そりゃ、私もそこら辺の事情は十分わかっちゃいるつもりです。
はぁ~。それでも絵になるなぁ。
美しい女性が独り、愁いを含んだ瞳で夜空を見上げて、ふと溜息をこぼす・・・。
一体彼女にどんなご事情がおありなのかは、私の知るところじゃござんせんが、
今すぐにでも彼女の隣で、よろず相談窓口を開設したいくらいですねぇ。
あんなべっぴんさんとお話できるだけで、私なんかはもう夢見心地なわけで・・・
むふふふ。
あれ?
どうしてそんなキツイ目で私のことをにらんでるんですか?
ちょっと、落ち着いてください。
大事なお話はこれからなんですから。
いえ実はね、彼女ここら辺じゃああだ名を「ヴィーナス」って言いましてね、
たまに見えるお客さんなんですよ。CUBICにね。
だから私なんかでも知っているわけでして、はい。
まぁ、もちろんあんなに綺麗な女性ですから、
一ぺん拝んだらそう忘れられないってことも、多分にはある訳なんですけどね。
あっ、見てください。
彼女、携帯を取り出しましたよ。
いつも一人でいるのに、一体誰に電話をかけるんでしょう?
ま、まさかついに彼氏が出来てしまったんでしょうか。
そりゃあ気になりますとも。
そこそこの女性ならば、別に誰と付き合って、誰と結婚して、
その結果ハナクソ程度の幸せをつかもうが、どん底でズブズブにくすぶろうが、
私ゃ何の文句も垂れませんよ。
けどね、美人は違う。違うんです。
もって生まれた宿命って奴ですかね?
美人は誰のものにもなっちゃあならないんです。はい。
いや、別にそんな法律は無いんですけど、これは皆がそう思ってるんです。
いつまでも、みんなの女神でいてほしいんです。
しーっ、静かにしてください。
私が聞きたいのは、あなたの反論なんかじゃない。
そんなもんは、どうでもいいんです。
私が聞きたいのは、そう。ヴィーナスの電話のはなしなんです。
ほら、耳を澄ますとややキーの低い、優しく落ち着いたヴィーナスのはなし声が
かすかに聞こえてきますよね?
ここはちょっと悪趣味ですが、すこし話を立ち聞きしちゃいましょう。
もちろん、あなたもご一緒にです。
さ、同罪の旅をはじめましょう。
つづく
」」」」」当時のコメント」」」」」
マヨ わくわく(。´∀`。)
2005/06/10 23:52
アルピニア (* ̄m ̄)ぷぷっ いったいどういう展開になるんだ???
2005/06/11 09:20
m⇔k わぉ♪(〃∇〃)
2005/06/11 09:54
はむねこさん |ω・`)
2005/06/11 19:00
ryoma2005 FMの人気番組のウエィティングバーのような聞き耳の世界。きゅびワールドの開始ですね。
2005/06/12 02:44
きゅび ( ゚∀゚)・∵. ブハッ!! そんなたいしたもんじゃないです^^;