ふたたび、LOVE LETTERS

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確かに届けたい思いがあって、文章を書いている。
このブログって言うのは、僕にとってLOVE LETTERを書き続けているようなものだと、
記事に書いたのは先々月のこと。
似たようなタイトルだけど、表題写真にあるように今回は本物なのです。

昨日の夕方、僕が打ち合わせから帰ってくると、なにやら嫁が「くくくく」と含み笑い。
気味が悪かったので問い詰めると、「これよ、これ。読んでみる?」と嫁が取り出したのは、数々の便箋。
日付を見ると1995年とか書いてある。
僕と嫁が、まだ知り合って間もない頃に、僕が嫁に書いた手紙たち。

読んでもいないのに便箋たちを手にした瞬間、一気に10年前にタイムスリップした。
ある日の手紙は自宅から。ある日の手紙は公演先のホテルから。
ある日の手紙は、彼女が出勤した後の彼女の部屋で書いたもの、なんていうのもあった。
便箋も、輸入雑貨店で購入したお気に入りのものあれば、ホテルの部屋に備わっている便箋や、
あるときなどはメモ帳やノートの切れ端など多種多様だった。

お堅い金融機関の窓口をやっていた嫁。
コンサートの仕事にどっぷりとはまっていた僕。
生活のリズムがまるで正反対だった10年前の僕たちにとって、会える時間は限られていたから、
二人の距離を埋めるものは、電話ではなくて手紙だったんだ。
すっかり忘れてしまっていたそんな単純なことが、
懐かしいと言うよりもむしろ、僕にはとても新鮮に思い出された。

束になったLOVE LETTERS。
思い出をたどるように、一つ一つを読み返した。
そのうち、ある便箋で手が止まった。
僕らが付き合いだして何ヶ月かした頃、良く使っていたそれには、
びりびりに引き裂かれた痕があった。

破いたのは、僕である。
些細な事が発端で大喧嘩した時、つい勢いで嫁の前で引き裂いてしまった。
彼女は泣いた。
とても大切にしていた手紙だったのにと、手紙を抱いて泣いた。

結果的に無事仲直りしたから、今日に至っているのだけど、
一度は僕が目茶苦茶に引き裂いた手紙が、丁寧にテープで復元されていた。
その事が僕の胸を打った。
破られた後はゴミ箱に行っているものだとばかり思っていた手紙。
恐る恐る見てみると、そこにはこんなことが書かれていた。

「僕が君をおもう気持ちは、例えて言うならば、僕の好きな銚子の海に似ています。
 穏やかだったり、激しかったり、時として荒れたり。
 海の波は満ちては引き、打ち寄せては返しますが、
 砂浜を恋しがるその動作は、永遠に繰り返されて、砂浜は決して乾くことがありません。」

嫁の涙でにじんだ手紙は、十年前からとても大きなメッセージを運んでくれた。
時と共に忘れかけていた、彼女に対する真っ直ぐな気持ち。
そしてなにより、彼女が宝物のように大切に保管し続けてくれた、僕の手紙。

真剣に二人で生きて行こうと思えば、意見の食い違いや衝突などは、絶対に避けられない。
けれどもそうした困難を二人で越えてゆくことに、愛することの本質を見るような気がする。
テープで丁寧に復元されたその手紙は、まさに僕たちの愛の形そのものに見えた。
今ではジルも颯一郎も愛しい。
かけがえのない存在であることは、否定はしない。
けれども、全ては彼女と一緒に踏み出した最初の一歩から始まったことを、改めて胸に刻んだ。

束になったLOVE LETTERS。
一年後の1996年の手紙の文末にはこんなことが書かれていた。

「いつまでも波は波であり、砂浜は砂浜でありますように。
 二人の心が離れることがありませんように。
 知り合って一年が経ち、十年が経ち、五十年が過ぎ、お互いの欠点を山ほど知ったとしても
 愛し合う心で強く立って、決して傾くことがありませんように。
 君の人生の喜びも悲しみも、全てを共感できますように。
 また、それがいつまでも僕の望みでありますように。
 全てを信じ、全てを望み、全てを許す事ができますように。」

全てを信じ、全てを望み、全てを許すこと。
とてもとても、男としてまだそんな立派な境地には、一度として立ったことは無い。
けれども昔と変わらぬ笑顔を僕に向けてくれる君がいる以上、
僕は何としても、あの日の願いを現実のものにせねばなるまい。
日々精進するから、どうかもうしばらくここで待っていてほしい。
君に適う男になることを、今日改めて約束しよう。
この束になったLOVE LETTERSにかけて。



」」」」」当時のコメント」」」」」

みかぷぅ (´;ω;`)ウゥゥとっても感(┳∧┳)動です!
2005/05/02 14:12

erinaloha 男性から手紙をもらったことがほとんどないので、読んでじ~んとしました

2005/05/02 14:28

きゅび
■みかぷぅさん
 はじめまして。コメント頂き、有難うございます。
 これでも一応、体育会系肉体派ブロガーを自負しております。
■erinalohaさん
 やはり、最近はメールと言う便利なものがありますからねぇ。
 あればきっときゅびもメールだったかとおもいますが、
 アナログってのもいいものですよ^^
2005/05/02 17:16

osakaken いい話!・・少し似ているかな?・・私も実はぜ~んぶ持っています。ただし・・奥様のように優しい気持ちではありませんで・・何かの時の決め球です!それに・・私は遠距離恋愛でしたから・・手紙だけが支えだったんですね。宝物ですよ・やはり。
2005/05/02 17:47

ももこ姫。 このLOVE LETTERSは、多分、「キッカケ」。
たとえこのお手紙に賭けなくても、きゅびさんは、奥様への愛情を示し続ける男性なのでしょうね♥♥
2005/05/02 18:12

はむねこさん はあぁぁ・・・一応同じ男として・・・こういう手紙を書けるきゅびサンをうらやましく思います^^ 時代の関係もあるのか、手紙ってのを余り書いたことがないもので・・・
2005/05/02 20:00

戌年セブン うお!!カックイイことしてますね!イカシタ男ですね☆
2005/05/03 01:53

らむりー☆ すーごーいー♪ステキな手紙(。 ´ I`)(´I ` 。)ネェー♪
メールばっかりで手紙とか書くこともなくなったからすごく新鮮な感じもするー(*゚∀゚*)ポッ
2005/05/03 04:51

★アクアマリン 素敵な宝物ですね^^ 何年経ってもそれが宝物であり 2人が何度でもその場所に戻ってくることが出来るなんてすごいことだと思います^^ 私たち夫婦にはそんな形として残っているものはないけれど 目指しているのは同じ物の様な気がします^^
2005/05/03 07:30

アルピニア きゅびさんの奥様に対する愛情、すごく伝わってきた! 私も結婚してもう12年目に入ったけど、この記事読んで、やっぱり最初の頃の気持ちは忘れちゃいけないなーって思いました!
2005/05/03 09:48

☆ふーが☆ 素敵なお話ですね♪ 筆圧のある直筆のお手紙。。いいですよね~羨ましいです。
2005/05/03 16:54

きゅび
■osakakenさん
 決め球ですか!^^物的証拠が手元にあるのは強いですね^^;
■ももこ姫。さん
 そうです。態度で示し続けないと、獄門・打ち首に処されてしまう、
 恐ろしい家庭なのです。
■はむねこさん
 たぶん、僕の世代が「手紙」と言うものを使った最後の世代だったのでは
 ないでしょうか?まぁ、いいモンですけれどね^^
■戌年セブンさん
 イカレタ男にならないように、きをつけます^^
■らむりーさん
 多いご意見ですね^^やはりメール世代の方は手紙は使わないですものね^^
■アクアマリンさん
 うんうん。たしかに、一瞬でタイムスリップしちゃいましたからねぇ。
 そういう意味では、大切な宝物なのでしょうね^^
■アルピニアさん
 12年!ベテランなのですね!
 道理であの愛情あふれるレシピの数々が魅力的なのか、わかりました^^
■ふーがさん
 そうなのです!
 直筆だと、その時の自分の心理状態なんかも字面からにじみ出てきていて、
 いっそう懐かしく読めたりしました。
2005/05/05 20:28

ぷぅすけ あれ?コレを読んで涙してコメントが書けないかも・・・と思ったらこれは今日の日記ではない模様・・・
なぜココにタイムスリップしたのだろ・・・

このラブレターなんてステキなんでしょう・・・。
ずーっとずーっと波と砂浜のような関係であってください。
2006/05/04 13:24

☆ふーが これ以前読んだときも感動しました。。
2006/05/04 13:29

MEG ラブレターかぁ。。1回しかもらった事ない・・・
今は何でもメールやもんなぁ(^ー^●)何か羨ましい☆

2006/05/04 14:34

きゅび ■ぷぅすけさん
 古い記事にコメント頂きまして、有り難うございます^^
 とても嬉しかったです^^v
■再び、ふーがさん
 なにやら妙な事態になっていますが、しっかりコメントしてくださるなんて、
 僕に負けず劣らず律儀者ですね?w
■MEGさん
 僕が10年遅く生まれていたら、やっぱりメールだったんだろうなぁ。
 でも、こういうのってなかなか良いものですよ。
 バッテリーが無くて読めないってこと、無いですからね^^;
 
2006/05/05 12:31

mai いいお話ですねぇ~~実は、私もしっかりと手紙を持っております。20数年前のですよ^^電話もあまり無かった時代でしたから・・・かなり古いですけど^^男の人は、貰ったお手紙どうされるんでしょうねぇ~~
2006/05/05 14:10

☆ルナです☆ 高摂さんのところからきました^^
とっても素敵な 言葉の宝箱の中のキラキラした思い出の数々を覗かせて頂いた気持ちです。 ありがとう^^
2007/03/12 09:48

きゅび ■maiさん
 ( ̄ロ ̄;)き、気がつきませんでした。とっても遅いお返事になってしまった事、
 お許し下さいませ!
 ご質問の件ですが、僕も密かにとってありますとも^^
■ルナですさん
 初めての記事に、コメントいただきましてありがとうございます。
 感性の高さが忍ばれるようなコメントを頂きまして、
 こちらこそ恐縮してしまいます^^;
 高摂さんに感謝せねば・・・
2007/03/12 12:00

藤波 同じく高摂さんのとこからきました。心和みますね。すてきです!
2007/03/12 13:18

きゅび ■藤波さん
 初めまして。非常にコメントしづらい記事だと思うんです。客観的に。
 にもかかわらずコメントを残してくださって、どうもありがとうございました^^
2007/03/12 19:42

みぉ。 忘れてたことを思い出したような
そんな気持ちになりました(´;ω;`)
日々の生活の中で時間とともに薄れてしまうのは
どうしても避けられないことだと思うんです。
でも失ったわけではない。
色々なことを考えさせられて ジーンとしてしまったのでコメさせて頂きました(´;ω;`)
2007/09/10 04:38

きゅび ■みぉ。さん
 初めまして!挨拶掲示板ですでに書きましたが、古い記事にコメントをいただいて
 どうもありがとうございます。
 自分の中でもとりわけ思い出深い記事ですので、
 たまにこうして誰かに共感してもらえるというのは、とっても嬉しいです^^
 是非ともまたお越しくださいませ^^
2007/09/10 20:43
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Commented by meron33ninja at 2011-08-04 11:02
いいですね~
映画の一こまのようです。
若い頃には色々な感傷が心をよぎりましたが 年をとると
その感性が鈍くなる・・・トホホだなぁ~と 思いつつ
テープで修復してある手紙を おふたりで大切にされているなんて
感動的!
手紙って 今はそういえばほとんど書きませんね~
なんでも メールで・・・

書いたり消したり破いたり捨てたり・・・・そううことが 恋愛のステップだったんだなぁ~ 若いもん!ステップ踏みなさい!と 言いたくなった
このごろでございました~!

過去記事も読み応えありますよ~!
Commented by hinemosunorari at 2011-08-04 21:12
■meronさん
まぁ、見つかってしまいましたか^^;;
もう手紙を書くなんて、生きてる間に数えるほどしかしないだろうなぁと思います。
メール、確かに便利なんですけれども、手紙にはメール以上の
何かが宿っていると信じて止みません^^

昔の記事にコメントして下さって、本当にありがとうございます。
照れくさいやら嬉しいやらでございます^^
Commented by グッチ 新作 at 2014-01-16 08:20 x
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Commented by hinemosunorari at 2014-02-03 15:17
■グッチ新作さん
お返事、大変遅くなりました(*- -)(*_ _)ペコリ
そして言いたいことがサッパリ分からないコメントも、
とても感謝しております。
残念なことは、リンク先が消滅していたことですかね。
ええ。新作が出ましたら、またお越し下さいませ。
(6 ̄  ̄)ポリポリ
Commented by モンブラン 替え芯 at 2014-03-21 16:03 x
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Commented by hinemosunorari at 2014-04-01 11:19
■モンブラン 替え芯さん
あのね。どのリンクも切れてるっつーね。
万年筆はインク瓶にペン先を浸す必要がなくて
切れ目なく書けるのが売りでしょ。
切れてちゃダメですよ(-公- ;)
by hinemosunorari | 2005-05-01 23:02 | 日々のよしなしごと | Comments(6)

洒落と知性と愛そして無駄の織りなすブルース。


by きゅび
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